レバレッジ型ETFについて知っておいた方がいい用語

投資

どうも。yoshiです。

最近のリべ大動画でレバレッジ型ETFについて取り上げられていましたね。↓

こちらの動画内でレバレッジ型ETFを運用するなら知っておくべき用語が出ていました。

確かにここまではやっていると、この辺の勉強をしないまま運用している人も多いのではないかと思います。

今回はこちらの用語解説をしていきます。

それではよろしくお願い致します。

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レバレッジ型ETFに対する金融庁の発表

動画でも取り上げられていましたが、金融庁からの注意喚起も出ていますね。

レバレッジ・インバース型ETFについての金融庁の発表【2021年6月30日】

以下、概要です。

・レバレッジ・インバース型ETFなどは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品

・取引の仕組みや内容を十分に理解し、取引に伴うリスクとコストを十分に認識することが重要

1.概要

ETF(上場投資信託)は特定指数に連動する金融商品

ETFは取引所などで売買可能なので、「場中でいつでも売買が可能」「投資信託よりも現在価格が分かりやすい」といった特徴があります。

従来ETFは株価指数などに単純に連動する商品が大半でした。

近年は国内外問わず、2倍から4倍のレバレッジ型やインバース型登場し、相対的にハイリスクのETF等や目標指数が分かりにくいETF等、多種多様なETF等が上場され取引されるようになっています。

また、コモディティ(商品)先物指数を対象とするETF等は現物価格に1日の値幅制限がない一方でETF等の価格には値幅制限があるために、相場急変時に連動しなくなる可能性があります。

2.リスクとコスト

これらのETF等は『目標指数の日次の値動きの〇倍』を達成するように運用されています。

例えば日経平均レバレッジ型2倍の商品であれば、日経平均が1%上昇した日に2%上昇することを目標にするということです。

しかし2日以上の運用期間で見た場合には、リターンの2倍になるわけではないことに注意が必要です!(1か月で日経平均が5%上昇しても、10%上昇にはならないことが多い)

これについては過去記事参照です。

このためレバレッジ・インバース型ETF等は、主に短期売買での利益獲得目的商品であり、投資経験の浅い個人投資家が中長期での資産形成目的として運用する場合には注意が必要です。

レバレッジ・インバース型ETF等が目標指数の数倍に連動できるかというと、先物取引を運用しているからです。(これについては後の章で詳細解説)

このため、一般的にこれらのETF等は『先物取引コスト』の負担や先物取引の期限(限月)を乗り換える際のリスクが生じることに注意が必要です。

金融庁からは『こういった仕組みや内容を十分理解した上で、自身の目的に照らして適切であると判断する場合にのみ、自己責任で取引して下さい!』と通達してくれています。

3.金融庁の取り組み

<1>広告・説明義務の強化(内閣府令改正案)

<2>信用取引保証金率の引き上げ(内閣府令改正案)

<3>以下について取引所に検討要請

 ①シンプルETF等とレバレッジ・インバース型ETF等との区別をすること

 ②コモディティなどのレバレッジ・インバース型ETF等について、当該ETF等の値幅制限を見直すこと

用語解説

金融庁からの注意喚起はレバレッジ型とインバース型ETF等になっていますが、現在ブームになっているのはレバレッジ型ですので、そちらに限定した内容にしました。

先物取引とは?

先物取引とは、特定の商品を将来の決められた日に、あらかじめ決められた価格で受渡すことを、売手と買手の間で約束(契約)する取引です。

なので、取引時点では支払いなどはありませんが、受渡日には買い手は必ず必要代金を支払い、売り手は必要量の商品を引き渡す必要があります。

ただし、買い手は受渡日の前日まではいつでも転売可能ですし、売り手は買戻しすることでそれぞれの取引を手仕舞うことも可能です。

一般に、先物取引では

特定の商品のことを「原資産」

将来の決められた受渡日のことを「期日(または満期)」

決められた価格のことを「先物価格」

と呼んでいます。

株価指数先物取引は、株価指数を原資産とする先物取引です。

これらは実際に受け渡しを行うことは出来ないので、最終的な決済は期日における生産価格と先物価格の差額分を受け渡して行います。これを「差金決済」といいます。

1.株価指数先物取引の概要・魅力 | 先物取引の仕組み | 松井証券 (matsui.co.jp)

レバレッジ型ETF等では基本的に先物取引で運用されています。

日経平均連動なら日経平均先物、S&P500連動ならS&P500先物を使って運用されるということです。

日々の市場の値動きに応じたリバランスと、設定・解約に応じた先物取引をおよそ毎日実施します。

リバランスは、市場が上がっていれば先物を買い、下がっていれば先物を売るというのが基本スタイルです。

一方、設定と解約に応じた先物取引はこれと逆に、市場が上がっているときに解約(先物を売る)、下がっているときに設定(先物を買う)ことが多いです。

限月とは?

先物取引は取引できる期間が決まっています。

期日の前営業日を取引最終日として、それまでに取引が行われます。

期日当日は最終決済のみ行われます。

これを限月取引(げんげつとりひき)といい、限月とは先物取引の最終決済月を指します。

証拠金とは?

先物取引とは、言葉をかえれば「原資産が期日にどんな価格になっても、あらかじめ決められた価格で決済することを約束する」取引ともいえます。

約束の履行を確実なものにするために、取引の当事者が差入れる一定の金額を証拠金といいます。

このような取引を「証拠金取引」といい、先物取引は証拠金取引の1つです。

証拠金額は各証券会社で決めています。

ロールオーバーとは?

満期のあるデリバティブにおいて、銘柄の乗り換えにより、建玉(ポジション)を満期日以降も継続して持ち続けることをいいます。

より具体的には、先物取引において、取引最終日までに期日の売り(買い)と期先の買い(売り)を同時に行ったり、カレンダー・スプレッドを取引することにより、期近の満期日以降もロング(ショート)ポジションを継続することができます。

逆に期先から期近に乗り換えることを「ロール・バック」といいます。

コンタンゴとは?

満期のあるデリバティブにおいて、銘柄の乗り換えにより、建玉(ポジション)を満期日以降も継続して持ち続けることをいいます。

より具体的には、先物取引において、取引最終日までに期日の売り(買い)と期先の買い(売り)を同時に行ったり、カレンダー・スプレッドを取引することにより、期近の満期日以降もロング(ショート)ポジションを継続することができます。

逆に期先から期近に乗り換えることを「ロール・バック」といいます。

バックワーデ―ションとは?

主に商品先物取引で使われる用語で、期近の方が値段が高くなって、カーブが凹んでいる状態をバックワーデーションといいます。

これは、限月間の価格差を利用した取引で「逆鞘」のことであり、異常気象や大規模な事故など何らかの突発的な材料によって、期近のコントラクトの値段が跳ねてしまった時に起こる現象です。

一方で、バックワーディションの原因が解決していけば、コンタンゴの状態に向かっていくものと予想することもできます。

信用取引保証金とは?

信用取引では新規に取引を行うために保証金を用意する必要があります。

信用取引保証金率とは約定代金に対する割合です。

この割合は法令で最低30万円以上、建玉30%以上に決められています。

※1000万円買うなら最低300万円の保証金が必要

代用証券の値下がりや建玉の評価損により保証金維持率が低下すると、追加保証金(追証)を支払う必要が出てくる!

この追証の影響で2021年初頭にアルケゴスが破綻しました。

関連した金融機関にも全体で1兆円規模の大きなダメージを与え『アルケゴスショック』とも言われます。

原指標とレバレッジ指標とは?

原指標は目標の指数の値動きに相当します。

TOPIXならTOPIX、S&P500ならS&P500の日々のシンプルな値動きのことです。

レバレッジ指標はこの原指標の日々の変動率に一定の倍数(2倍や3倍など)を乗じて算出される指標です。

インディカティブNAVとは?

NAVはNet Asset Valueの略で、ETFの1口あたり純資産のことを言います。ETFの基準価額と同じ意味で、ETFの1口当たりの価値を示します。

このNAV(基準価額)は1日1回しか計算されません。

インディカティブNAVは、取引時間中のETFの基準価額の推定値となります。

通常のNAVが1日1回しか計算され公表されないのに対し、インディカティブNAVはリアルタイムで計算されています。

インディカティブNAVはETFの今現在のNAVを推定した価格であり、今現在の理論価格になります。

インディカティブNAVを利用することで、ETFが理論価格より割安で取引されているか、
割高で取引されているかを知ることができます。

インディカティブNAVは証券取引所や情報提供社が算出・公表している場合があります。

投資家の間では『iNAV(アイナブ)』と言われています。

ついでにPCF(Portfolio Composition File)についても簡単に触れておきます。

これはETFが保有する銘柄毎株式数や先物建玉数等を一覧化したファイルです。

本来、PCFはインディカティブNAVに使う計算用ファイルですが、投資家がリアルタイムで株価を取得できれば、自らインディカティブNAVが計算できるようになります。

おわりに

いかがだったでしょうか?

ここまで知っていなくても運用は可能ですが、出来れば投資するなら中身やリスクなどをしっかり理解して行う方がいいと思います!

また金融庁からも出ているように、基本的には短期向き商品ですので、利確ポイントはもちろん損切りポイントもしっかりと見極められる感覚は必要だと思います。

短期間で数倍も狙える半面、数日で60-75%暴落などということもあり得る商品ですので。

リスクを理解し、ここのリスク許容度の範囲内で投資して欲しいと思います。

それでは、本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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