今回は橘玲さんの著書
『投資のことはなにもわかりませんが 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください』
について要約&感想を書いていきます。
それでは、よろしくお願いいたします。
お金持ちの方程式
お金持ち=(収入-支出)+(資産×運用利回り)
こんな簡単な式で「お金持ち」は表されています。
この公式から考えると、「お金持ち」になるには
①収入を増やす
②支出を減らす
③運用利回りを上げる
・複利のパワーを理解し、活用する
この3つで達成できるということです。
収入を増やすには、
・人的資本を労働市場に投資する
・金融基本を金融市場に投資する
この2つが挙げられています。
基本的には若い人ほど今後の人的資本が大きく、現状の金融資本が小さいことが多いです。
出来れば若い人は、人的資本を増やすために自己投資に回す方が効率が高いとも言えます。
人的資本への投資とは学習面だけでなく、健康面への投資や効率を上げる機材への投資も含まれるとも述べられています。
金融資本が小さいうちは、少額運用よりも人的資本への投資(自己投資)をして将来の収入を増やす方が効率的であるということですね。
ちなみに僕も20代から30代前半までは、給与に直結する資格試験にかなりの投資をしました。
それにより、何もしなかった場合の年収の倍近くになりましたし、昇給率も周囲に比較して10倍くらいと、この人的資本への投資というものの効果を最大限に享受出来たので、これはかなり共感出来ています。
他の職種の方の場合、どういったものが給与に直結するかは分かりませんが、最近ではやはりプログラミングや動画編集などの市場が大きく稼げるようなので、若い人はそれらのスキルを学ぶのは良さそうだと思います。
これらは、フリーランスにも直結しやすいので、サラリーマンで収入を増やすよりも効率的であると書いてある本も多いですね。
住宅ローンはレバレッジを掛けた不動産投資
個人投資家が金融資本を金融市場に投資する場合
『株式:債券:REIT=1:1:1』で買うのがいいと述べられています。
これがマイホームを買うことで、不動産投資割合が一気に膨れ上がって均等投資が出来なくなってしまいます
また建物自体の価値が上がることはほぼないので、不動産での値上がりは地下の上昇でしかないんです。(マンションも物件の価値よりもその立地の価値であるとも言える)
資産として考える場合、マイホームはリスクの高い投資対象と言えます。
もちろん、心の豊かさの為なら別だとも思いましたが、あくまで「効率」を考えた方法だと思います。
これだけは買ってはいけない投資商品
基本的にアクティブファンドにインデックスファンドに勝てないし、良くても同等になる。
デイトレードやスイングトレード、FXなどのプロに対して個人投資家にアドバンテージがない。
掛けられる時間が圧倒的に少ないのでハンデを負っているとも言えます。
(勝てる人もいるが、本当にそういった才能がある人は、それを仕事にしてファンドマネジャーになった方がリスクを下げて稼げる)
それが長期投資であれば、逆に個人投資家にアドバンテージがある。
個人投資家が長期投資で気をつけるべきは無駄なコストをかけないということである。
その上で更に買ってはいけない商品を3つ挙げられています。(あくまでも効率を最優先)
①株主優待:これは経済学的に全く不合理
1000円相当の商品や商品券を貰うよりも、配当金を出してもらった方が効率的
外国人株主やファンド経由の個人投資家はその恩恵を受けられないというのは株主平等の原則に反する。
個人投資家に優しい会社がパフォーマンスが高いという保証はどこにもないので、結局株価が暴落したら元も子もない。やはり株式はパフォーマンス重視で買うべきである。
②毎月分配型ファンド:複利効果が弱まる又はなくなる
③運用型生命保険
複合型金融商品を買っている人は「自分が何の目的でその商品を買っているのか?」を理解しないといけない。
投資・保険・貯蓄は分けないといけない。
保険と資産運用という全く違う商品を組み合わせて売る意味は、保険会社の資産運用商品として運用手数料に生命保険料を上乗せして販売しているだけ。
別々に買えば手数料を抑えられる可能性も高いのに、複雑化して判断しにくくしている。
そしてコストが高くなり、高いリターンは望みにくくなる。
自分が理解できないものには手を出さないこと。
そして表面上の数字だけを信じないことが重要です。(中身を理解してから購入する)
税金コストを抑える
投資のコストとして外せないものに税金があります。
確定申告で取り戻せる部分もありますが、基本的には配当金にも売買利益にも20.315%の税金が掛かってきます。
年間で100万円の利益を出しても、約20万円税金で引かれてしまうということです。
これを下げるためにiDeCoやNISAといった制度を用意してくれています。
せっかくあるんだから、まずはこれらから始めるべきです。
日本人が日本株に投資する理由はない
日本株式市場は30年以上最高値を更新できていません。
米国市場は何回かの暴落を経験しつつも、最高値を更新し続けています。
金融資本は成長市場の成長企業に投資しなければなりません。
また、日本で暮らして日本で働いているということは、給与も円で受け取り、貯金も円で貯めている。それは円の為替リスクを大きくとっていると言えます。
だから株式投資でこれ以上の円の為替リスクを取る必要はないと述べられています。
将来的に日本円の価値が大幅に下落した時のリスクヘッジには、MSCI-KOKUSAI(全世界インデックス除く日本)など日本以外への投資が最適解である。
暴落こそが最大のチャンス
プロの投資家は3か月ごとに結果を残さないとクビになるリスクがある。
なので損が出ている銘柄をいつまでも保有出来ない。
個人投資家は、このようなプロと同じ土俵で戦う必要はない。
個人投資家は損が出ていようが、長期目線でプラスに転じる可能性のある銘柄なら長く持ち続ける戦略も可能です。
暴落時に買い増しておくことも出来るということ。
プロにはできない長期投資こそ個人投資家が行うべき投資法である。
社会資本も大切に
人間関係などもここに当たります。
社会資本を得るのに人的資本の労働市場への投資は重要です。
学校を卒業した人は普通、人的資本を投資してなければ、人との関わりはどんどん薄れて社会資本は枯渇していってしまいます。
FIREが流行ってはいますが、もし達成した後であっても人的資本・金融資本・社会資本の全てをバランスよく気を配る必要があると思います。
終わりに
こちらの本は大変読みやすく、ぜひ本書で読んでもらいたい一冊ですね。
やはり橘玲さんや山崎元さんの本はどれも読みやすく、初心者の方には特におすすめです。
ただ、効率化を最優先している部分もあるため、上手くバランスを取って取り入れていければとも思います。
いわゆる「使う力」もしっかり育てていかないと、人生を豊かには出来ないと思いますしね。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント