長期投資を行う際に、「ドルコスト平均法」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
今回は『概要』『メリット・デメリット』『類似投資手法』について簡単に解説していきます。
それでは、よろしくお願いいたします。
ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、価格の変動する金融商品を一定の金額で、定期的に時間分散して買い付ける手法を言います。
上図を例にすると、1口=1円 毎月1万円を積み立てていくとしています。
(分かりやすくするため管理費用は除く)
1か月目は基準価格が1万円なので、1万円購入すると1万口購入出来ました。
2か月目は基準価格が6000円に下がったので、16666口購入出来ました。
3か月目は基準価格が8000円に上がりましたが、12500口購入できます。
4か月目は更に上がり12000円になったので、8333口だけ購入出来ました。
5か月目も更に上昇し13000円になり、7692口だけ購入出来ます。
このように上がったり下がったりしていますが、定額購入であれば平均購入価格を9059円と1万円よりも少ない金額に出来ています。
株式や投資信託の利益とは(現在価格-平均取得価格)×株数(口数)となるので平均取得額が低いほど利益になりやすいと言えますね。
この事例では5か月間と短い期間ですが、ドルコスト平均法はこのように長期的に積立投資をした際の価格変動リスクを下げるための手法です。
ドルコスト平均法を活用すれば、値動きのある金融商品に対して投資タイミングに悩むことなく、リスクとリターンを平準化出来ます。
ドルコスト平均法のメリット
①投資が楽ちん
先の通り、ドルコスト平均法は一定期間の間、定期的に一定額を投資していくという手法です。
最初に積立設定さえしておけば、後はほったらかしでOKです。
投資タイミングに悩むこともなく、金額を考える手間もない。初心者から日々の業務もこなすサラリーマン投資家にとって最適な方法かと思います。
②相場の値動きに縛られない
投資を始めると日々の値動きが気になって仕方のない人も多いと思います。
ドルコスト平均法であれば機械的に定期積立することになるので、相場の浮き沈みに一喜一憂せずに淡々と保有口数を増やしていけます。
逆に気にしすぎることで、積立を中断してしまったり、辞めてしまったすることがあるので、気にせずにいてくれる方が、ドルコスト平均法を邪魔せずに済んでいい結果が得られます。
投資に心理的影響は邪魔になる場面が多いですからね。楽観的に行く方が報われそうです。
③平均購入単価を下げられる
ドルコスト平均法では、基準価格が下がればたくさん買えて、上がればちょっとしか買えません。(上記参照)
これが長期で続くことで購入単価が平準化されていきます。
もちろん最終的な利益は投資期間やその期間の相場環境、出口のタイミングに左右されますが、定期的に買うことで、毎回高値掴みするようなことは避けられるので結果的に購入単価が低く抑えられるのはメリットです!
ドルコスト平均法のデメリット
①短期的な利益は得にくい
ドルコスト平均法は長期投資の手法ですので、短期投資には向きません。
速攻でお金持ちになりたい人は別の手法で行きましょう。(リスクは高まりますが)
②底値で一気に買い増ししにくい
「毎月一定額購入」がルールなので、価格が最大に下がったであろう底値で追加購入を基本的にはしません。
底値のタイミングを読むことなど誰にも不可能なことから、特段気にすることではないかもしれませんが、より平均取得額を下げるという点ではデメリットと取れます。
また、弱気相場で下落トレンドにある際に、ある程度の含み損を抱えるデメリットもあります。
③長期にわたって手数料が発生する
「簡単に出来る=手間が掛からない」ということは、誰かしらが管理をしてくれているということです。
またインデックスファンドにしてもアクティブファンドにしても投資信託であれば運用コストも掛かってくるのでどうしても手数料は発生します。
特に弱気相場では、手数料で更に含み損が増えていくリスクもあります。
ですので、手数料はなるべく低い運用会社に任せて抑えておきたいですね。
類似投資手法
【ドルコスト平均法=定額購入法】と似た手法で勘違いしやすいものに、定量購入法があります。
こちらは、毎回一定量を購入するという手法です。
『??何言ってんの?同じことじゃないの?』って人もいるかと思います。
先ほどの例ですと、毎月1万円買っていくのではなく、最初の価格が1万円の株式を定量で買っていくイメージです。
1か月目は1万円で1株買い
2か月目は6000円で1株買い
3か月目は8000円で1株買い
4か月目は12000円で1株買い
5か月目は13000円で1株買い
そうすると平均取得額は9800円ということになるんです。
単純に(10000+6000+8000+12000+13000)÷5 = 9800 です。
ドルコスト平均法の平均取得額が9059円ですので、約8%位の差が出ます。
このあたりの状況別の詳細な比較は【I×B college】さんのブログが分かりやすいので参考にしてみて下さい!
ドルコスト平均法の注意点
つみたてNISAやiDeCoはこのドルコスト平均法の仕組みを自動的にやるように促している制度とも言えます。
つみたてNISAもiDeCoも国の政策ですので、ドルコスト平均法は国(金融庁)お墨付きの投資手法とも言えるわけです!
ただ、そんな万能に見える手法でも気を付けないといけない注意点もあります。
手数料の高すぎる商品には手を出すな!
先ほども少し触れましたが、投資信託には管理費用などの手数料が発生します。最近は低コストの商品も増えてきましたが、まだまだぼったくりのような高手数料の商品が数多くあります。
金融機関も稼がないといけないので、仕方のないことかもしれませんが、金融庁も警鐘を鳴らしつみたてNISAやiDeCoには認めてなかったりもしますので、そういった商品には手を出さないようにしてもらいたいなと思います。
最後に
ドルコスト平均法は長期投資にはとても有効な手段であると思います。
ただ、短期投資には向かないという側面もあります。
あとは定額購入法との違いについても把握しておく方が良さそうですね。
個人の投資手法はそれぞれ違って当然かと思いますし、絶対にドルコスト平均法でないといけないということもありません。
他にも最初にドカッと購入する一括投資もありますし、自分なりに相場を読みながら安値を拾っていくのもいいと思います。
本人の目的と好みにあった投資手法を模索してくことも、投資の一部なのかなと思います。
それでは本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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