前にも同様のテーマで書きましたが、年も変わってつみたてNISAを始める方も増えてきたこともあり、この質問が再度、増えてきたように思えるのでアップデートしてみます。
それではよろしくお願いいたします。
全世界株式インデックスファンドと全米株式インデックス
まず初めにインデックスファンドとは何?というお話です。
インデックス投資信託というのは、指数に沿った運用を目標とした投資信託です。
インデックス投資信託を選ぶ=指数(インデックス)を選んでいくということと同義になります。
ニュースで聞いたことがある人もいるかと思うのは、日経225やTOPIX。
ダウ平均やNASDAQ指数ですね!
これらは個別の会社に投資するのではなく、ある市場全体やあらかじめ設定されたの詰め合わせパックのイメージです。
(時価総額加重平均などの細かい話はここでは抜きにします)
さらに大きな市場として、全世界インデックスや全米インデックスがあります。
全世界は基本的には先進国・新興国含めたすべての市場の詰め合わせパックです。
全米は基本的には米国株式市場全体の詰め合わせパックになります。
この辺の細かい解説のリンク記事は最後に載せますね。
全米派の意見
まずは全米派の意見からまとめていきます。
【理由①】過去リターンで見ると全世界よりも圧倒的に強い
こちらはS&P500(全米の大企業TOP500)とACWI(全世界の大企業)の比較です。
青が全米・オレンジが全世界です。
このようにここ10年程度は米国集中投資が圧倒的なリターン差を得ています。
これが最近の米国株人気の理由でしょうね!
逆にこの10年の米国の成長が既に上がりすぎてしまったという意見もあり、今後数年から10年ちょっとは米国市場は停滞するのでは?という意見がありますね。
これが不安な人は全世界にしておく方がいいと思います。
【理由②】全世界株式は低成長な国も含んでしまう
こちらはS&P500とCWI(全世界(除く米国))の比較です。
これを見るとここ10年程度では、米国以外の国はほとんど成長はなかったと言えます。
米国以外の低成長の地域市場を含めておくのは無駄だというのが米国派の主張です。
【理由③】米国集中投資でも新興国の成長も取り込める
米国企業のほとんどはグローバル企業であり、新興国の成長に合わせて売り上げも伸ばせる。
企業投資も盛んなので、新興国の企業にも投資していたりする。
新興国市場は成長と共にインフレも加速し、十分なリターンが得にくい。
米国企業を経由することで、そういったリスクを抑えられる。
【理由④】世界分散≠リスク低減である
10年の標準偏差(リスク)でみると
VTI(全米)は14.13%
VT(全世界)は14.24%
この数値が高いほどに基準価格の上下動が激しいと言えるわけですが、この2つにほとんど差がありません。(むしろ全米の方がリスクが低い)
なので、全世界投資にしていたから暴落を逃れられた!ってことはない基本的にはない訳です。
【理由⑤】長い歴史と株主主体の金融制度がある
これまで歴史上米国市場は何回かの暴落があっても回復期間に差があるもののその度に戻し、最高値更新を続けてきました。
それを考えると、他の実績のない地域市場よりは信頼が高いとは言えます。
ちなみに新興国株式市場は、ある一定期間を切り取れば米国市場を上回るパフォーマンスだが、長期では大きなリターンは得られていない。
(下図参照:青が全米、オレンジが新興国)
また、米国は配当金や自社株買いなど株主還元の文化も浸透しているのも大きいです。
【理由⑥ ~その他~】
・名目GDPで世界最大
・先進国では貴重な人口増加国(優秀な移民を含む)
・イノベーションは米国企業からがほとんど(大きなリターンになりやすい)
全世界派の意見
【理由①】主役は入れ替わる
まずこちらは、1900年から見た世界の市場価格比率の推移です。
この100年で大きく比率が変動しているのが分かると思います。
1900年前半は産業革命の影響もあり、英国を始めとした欧州勢の強さが目立ちます。
その後、徐米国が世界の覇権を握っていきました。
日本のバブル絶頂期には一瞬ですが日本がトップシェアに立っています。
そしてまた米国がトップシェアを奪い返している状況です。
全世界株式インデックスなら、こういった時代の波を読まなくても大丈夫ということですね!
・覇権国を予想する必要もない!
・米国以外が強くなっても気にならない!
・世界全体の市場が成長すれば利益を取れる!
というのが全世界株式インデックスです。
【理由②】米国暗黒時代
1966年~1982年はほぼ横ばい
2000年前半は新興国ブームにぼろ負け
こんな時代でも他の地域のリターンも取れるのが全世界株式インデックス
【理由③ ~その他~】
・インデックスファンドの発案者は全世界株式インデックス派
(株式インデックスと預金だけでOK
配分比率はは個人のリスク許容度で調整)
・ゴールドマンサックスのアナリストも全世界を推奨
・資本主義が続く限り、永遠に戦える投資手法である
・米国衰退期はオートマチックに比率を調整してくれる
結局どっちがいいのか
正直どっちが正解というのはないというのが結論です。
どっちにしろ最終的な結果は20年以上後にならないと分からないわけですしね!
それでもどっちかを選ぶとするなら
【米国集中投資してもいい人】
・今から投資する人の投資期間は今後50年くらいだと思います。そこで今後、約50年間はやっぱり米国が強いはずだと強く信じられる人は『S&P500』か『VTI』への集中投資でOK!
・個人的にはS&P500(米国時価総額の約80%)よりはVTI(米国時価総額のほぼ100%)の方が『イノベーション』を拾える可能性が高いと思うので好み
【全世界にしておいた方がいい人】
・米国集中投資をする理由が挙げられない人
・過去10年のチャートだけ見て米国を選ぶ人
こういう人は、全世界の方がいいリターンを出した場合に狼狽売りしてしまう可能性が高い
・今後は他の先進国や中国が強くなるんじゃないかと思う人
転換期は誰にも分からないので、自分であれこれ組み合わせるよりは時代に合わせてリバランスしてくれる全世界投資の方が安心
【どうしても決めきれない人】
・最初は決めきれない人も多いはず!そんな時は50:50で買っておくのも手!
運用していきつつ、自分の好みを定めるのもyoshi!
何ならそのまま50:50で行くのもyoshi!
大きな間違いはないと思います。
yoshiの考え
どっちか悩むなら全世界にしておくのがベター(万人に勧められる)
何なら米国と全世界を50%:50%で始めてそのままずっと継続しても問題はない
(分散の意味はないが)
その間に勉強して片方に決めるのもyoshi。
結局はそんなことよりも『俺か?俺以外か』・・・じゃないw
『投資するか?しないのか?』の方が重要です!
いわゆる『資本家』になるという話です。
更に言えばインデックス投資を20年以上の長期で続けられるかの方が大切ですね!
これに比べたら、この2つのファンド比較はそこまで大きな問題ではないかもしれないと思います。
あとは長期で続ける為には自分なりの根拠を持って欲しい!
それは投資目的もそうです。『何歳までにいくら以上の資産を築きたい』などですね。
ファンド選びについてもみんながやっているからこれっていうのはダメ。
こういう人は、自分の保有ファンドが停滞・暴落したら狼狽売りする可能性が高いと思います。
世界の経済発展はほぼ確実です。
お金持ちになりたい人が多数(資本主義である限り)であれば人類全体としては成長する!
全世界が共産主義になったらダメだけど、それは貯金していても一緒だし考えても仕方ない。
ただインデックス投資でも歴史的に見ると日本集中(米国以外の先進国一択も含め)や新興国集中はやめておいた方がよさそうです。(もちろん主役になる可能性が0ではありません)
特に新興国は別記事でもリスクを知っておくべきと書いていますのでよろしければご覧ください。
色々書いてきましたが、僕自身がどういう考えでどこに投資しているかというと、
我が家は米国へ集中投資をしています。
【理由】
①今後の50年ほどのリターンで考えると、米国一択が上回ると予想。
②これはIT分野で世界の覇権を取っているのは大きい。
③株主への還元制度が整っているのは強い。
④情報技術やヘルスケアセクターで強いのはやはり他地域に対して大きな強みである。
これはITは景気に左右されにくいインフラ(生活必需品)になっているし、ヘルスケアはどの時代でも重要なセクターであるという考えからです。
僕の場合は、投資信託以外にも個別株などもやっていてセクター分散では情報技術とヘルスケアに少しウェイトを高めた投資をしています。
もちろんこの考えに否定的な意見もあるとは思いますが、これが僕の考えです。
こういった投資する理由を挙げられるのがいいかと思います。
最後に全米株式インデックスと全世界株式インデックスの投資対象を書いた記事を貼っておきます。
それでは、本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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