レバレッジ型投資信託について

投資

最近、巷でレバレッジ型の投資信託が流行っているみたいですね。

どの投資商品にも言えることですが、特徴やメリット・デメリットなどを把握し、その投資対象を最低限、理解した上で投資することが最低条件だと考えます。

今回は、このレバレッジ型投資信託について、簡単ではありますが解説していきます。

それでは、よろしくお願いいたします。

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レバレッジ型投資信託の種類

レバレッジ型投資信託と一言で言っても、実は分類があります。

基本的にはターゲット指数の倍数になるように運用します。

ターゲット指数はS&P500やダウ平均、NASDAQ100等の米国指数もあれば、日経平均やTOPIXといった国内指数の商品と各種あります。

【ブル連動型】

投資の世界でブル型というのは、下から上へ上がる順連動(強気相場)の意味です。

例えばレバレッジ型投資信託の2倍ブル型というのは、対象指数が10%上昇20%上昇する、逆に10%下落すれば20%下落するという商品になります。

【ベア連動型】

反対に投資の世界でベア型というと、上から下へ下がる逆連動(弱気相場)の意味です。

例えばレバレッジ型投資信託の2倍ベア型というのは、対象指数が10%下落すれば20%上昇し、逆に10%上昇すれば20%下落するという商品になります。

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レバレッジ型投資信託の倍率

レバレッジ型投資信託にも様々な倍率があります。例えば・・・

『ダブルブル・ダブルベア型』:指数の値動き幅の2倍の値動きをする

『トリプルブル・トリプルベア型』:指数の値動き幅の3倍の値動きをする

『3.7倍ブル・3.7倍ベア型』:指数の値動き幅の3.7倍の値動きをする

『4.3倍ブル・4.3倍ベア型』:指数の値動き幅の4.3倍の値動きをする

と、いった商品がラインナップされています。

ここで重要なのは、レバレッジ型投資信託のほとんどが指す、

指数の値動き幅の基準は『1日の値動き』に対してレバレッジをかけるということです。

レバレッジ型投資信託のメリット

【ハイリターンが見込める!】

なんといっても、最大のメリットはこれだと思います。

投資の利益は「購入額と売却額の差(売買差額)」「配当金」です。

レバレッジ型では、売買差額に直結する日々の値動き幅の2倍・3倍を目指すので、単純に目標の倍率になるわけではありません。

例えば、ダブルブル型レバレッジ投信の場合ですと・・・

毎日20%づつ上昇した場合の、指数と2倍ブルの比較です。

指数の方は購入日含め5日間で100から207とほぼ2倍の+107%の上昇となります。

これに対し、2倍ブルは単純に考えると+107%の2倍の+214%になりそうですが、100から384と+384%の上昇となります。

こういう相場環境では2倍よりも良い成績になりますね。
(こんな相場はまずまずないですが・・・)

計算内容を書くと、
①指数 100×1.2=110  2倍ブル 100×1.4=140

②指数 110×1.2=144  2倍ブル 140×1.4=196

③指数 144×1.2=173  2倍ブル 196×1.4=274

④指数 173×1.2=207  2倍ブル 274×1.4=384

右肩上がりの強気相場では、レバレッジの倍率以上の成績を上げてくれることになります!

レバレッジ型投資信託のデメリット

【大きな(含み)損を抱える可能性がある】

反対に、トレンドを外すと大きな損失を出す可能性もあります。

こちらは毎日10%づつ下落した場合の、指数と2倍ブルの比較です。

指数の方は基準日から5日目で-44%の下落となります。

一方、2倍ブルの場合は-69%の下落になります。

上昇時と違って下落の方が少し抑えられ、-88%以上の下落にはならない結果となります。

しかし、この場合の問題点はその後にあります。

元本に戻すまでには下落時よりも高いリターンが必要になります。

例えば10%で下がったんだから、10%づつ戻れば元通りになりそうに思えますが、実際は基準価格が下がっているので、

指数でも若干戻り切りませんが、同じ期間・同じ上昇率では全然元には戻らないんです。

一般的に短期的な暴落率は暴騰率を上回るので、○○ショックなどの時は厳しい現実に直面するでしょう。

ただ、暴落後に買い付けて、その回復&強気相場に乗ることが出来れば、かなりのリターンを期待できる商品であるとも言えます。そのタイミングの判断は難しいわけですが。

個人的に長期投資と言うのは大きなリターンを出すよりも、損失をいかに小さくするかを重要視していますので、長期投資での運用はお勧め出来ないかなと考えます。

短期から中期投資、かつ上級者の投資対象かなと考えますね。

【指数横ばいの際の逓減リスク】

先ほどまでの例は、連続上昇・連続下降の場面でしたが、上がったり下がったりする横ばい時にはどうなるか見ていきます。

10日間 上昇下降を繰り返して指数が同額になった際の結果を見てみます。

1-9までで±10%上下を繰り返して、10日目に指数が100に戻るように+4%となった場合です。

①指数  : 100-110-99-109-98-108-97-107-96-100

②2倍ブル: 100-120-96-115-92-111-88-106-85-92

10日目の指数は100に戻り、プラスマイナスゼロになりました。

しかし、2倍ブルの方は-8%の下落となってしまいます。

このように指数が横這い状態で上下している時は、レバレッジ型投資信託の方が下落してしまうという現象が発生してしまいます。

まとめ

レバレッジ型投資信託(ブル型)は上昇トレンドに乗ることが出来れば大きな利益を獲得することが出来ます。その一方で下落や横ばい時には指数よりも下落してしまうリスクもはらみます。

ベア型の場合は逆に下降トレンドに乗る必要があります。

いくらS&P500やNASDAQ100が右肩上がりとはいえ、毎日で見た場合に上がり続ける相場はありません。逆に下がり続ける相場もありません。

レバレッジ型投資信託の運用はトレンドを確信できる、数週間から半年以内での短期投資にしておく必要があるかと思います。

ただ、そんなトレンドを読むことはプロでも難しいことを考えますと、一般的な個人投資家は単純な指数連動投資信託にしておく方がいいかと思います。

もちろん、普通の投資信託だけじゃつまらない!
もっとチャレンジングな投資もしてみたいって場合は、運用資産の10%以内などの投資ルールを決めて行うのがいいんじゃないかなと思います。

投資はあくまで自己責任です。
流行りだからと思考停止して、飛びつかずにしっかりとその投資対象を理解してから投資するようにしましょう!

それでは、本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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